皆様、ごきげんよう♪ 世界史の大河ドラマ シリーズを書いて行こうと思い立ったものの、昨夏の
『グラディエーター』以降 足踏み状態です。と言いますのも、時代順に挙げようとした為なかなか計画通りに進められなくなってしまいました。なので今後は時代を無視した大河シリーズとして続行します。相変わらずグダグダです・・・
Indochine ─ インドシナ
1992年 フランス映画 159分
監督/レジス・ヴァルニエ(『イースト/ウェスト 遥かなる祖国(2000)』)
脚本/ルイ・ガルデル×エリック・オルセンナ×カトリーヌ・コーエン×レジス・ヴァルニエ
製作/エリック・ウーマン×ジャン・ラバディ
撮影/フランソワ・カトンネ
編集/ジュヌヴィエーヴ・ウィンディング
美術/ジャック・ビュフノワール
音楽/パトリック・ドイル
衣装デザイン/ガブリエル・ペスクッチ×ピエール=イヴ・ゲロー
【キャスト】
エリアーヌ(安南の広大な農園主)/
カトリーヌ・ドヌーヴジャン=バティスト(海軍将校)/
ヴァンサン・ペレーズカミーユ(安南の王族。エリアーヌの養女)/
リン・ダン・ファンギイ(警察長官)/
ジャン・イアンヌイヴェット(エリアーヌの知人)/
ドミニク・ブランエミール(エリアーヌの父)/
アンリ・マルトータン(安南の王族。カミーユの婚約者)/
エリック・グエンミンタン夫人(タンの母)/
ティ・ホー海軍総督/
ジェラール・ラティゴシエン(エリアーヌの侍女)/
マイ・チョウエティエンヌ(カミーユの息子)/
ジャン=バティスト・フィンカスティラーニ(刑事)/
カルロ・ブラント1930年代のフランス領インドシナ。ここで生まれ育ったフランス人エリアーヌは、父と共に広大なゴム農園を管理経営するブルジョワ。安南の王族と家族同然に接し、親友の忘れ形見カミーユを養女として育てていた。独身の彼女に言い寄り続ける警察長官ギイや、高位のフランス軍人達を交わすエリアーヌだったが、あるオークションで知り合った若い将校ジャン=バティストと激しい恋に落ち・・・。
公開時 大変話題になった映画と記憶してますが、残念ながらシアター鑑賞していませんでした。先月 TV放映ですが、字幕ノーカットで鑑賞でき歓喜♪
物語は南北ヴェトナムが誕生する以前のサイゴン。支配するフランスの特権階級と皇族・貴族に対し、共産主義運動を展開する組織などが背景です。ヒロインは支配階級のフランス人で、王族だった親友の忘れ形見を娘として育てております。ドヌーヴ様の社交界のドレスからプランテーションでの作業着まで、華麗なファッションも見所です。
そんな高嶺の花ドヌーヴ様が、ものすご~く年下の青年将校ジャン=バティストと激しい恋に落ちるのですが二人はうまくいきませんでした。そして、偶然にも共産主義者の発砲テロ事件に巻き込まれたエリアーヌの養女カミーユを、同じ青年が助けた事からこの二人の激しい恋が勃発!大河ドラマならではの運命の歯車です。彼がアジアに良い感情を持っていない事と知っている悩むエリアーヌは、警察長官ギイに手を回しサイゴンから追放するよう仕向けます。美しい母娘の葛藤を含んだダンスシーンも見物。
この辺りの恋愛模様はアモールの国おフランスらしい展開。母娘を虜にするイケメン将校、はっきり言って風森のタイプでなかったのが残念(こら!)。カミーユは生まれながらの婚約者で王族のタンと結婚させられますが、このタン青年はパリに留学しすっかり共産主義に染まり、自由を求めてジャン=バティストの元へ向かうカミーユを応援(笑)。
ジャン=バティストが左遷された僻地ドラゴン島は、インドシナの農民を奴隷として売買するフランス軍の拠点でした。心痛むジャン=バティスト。カミーユも様々な苦労を乗り越えドラゴン島へ。道中助けてくれた家族連れが引き離され殺されたのでカミーユはフランス兵を殺害、ジャン=バティストと手に手を取っての逃避行開始。タンが関わる共産主義運動の地下組織に匿われます。やがて二人の間に男児誕生。ジャン=バティストはエティエンヌと名付ますが、息子といる所を軍に拘束され、カミーユは地下組織と行動を共にして離れ離れに。投獄されたジャン=バティストに頼まれ、幼いエティエンヌを育てるのはエリアーヌでした。
やがてカミーユも逮捕され収容所に送られます。本国で軍法会議にかけられる事が決まったジャン=バティストは、何者か(共産主義組織かも?)によって暗殺。今や幼いエティエンヌの養育を支えとし、ひたすらカミーユの出所を待つエリアーヌ。しかし自由の身に成ったカミーユは息子を養母に託し、このままインドシナ独立運動に身を投じる決意でした。最愛の娘と別れエティエンヌを伴いフランスへ渡るエリアーヌ。
時は流れ1954年、フランスから独立したヴェトナム国の代表としてジュネーヴ会議に訪れるカミーユ。そして青年となったエティエンヌを連れたエリアーヌの姿が・・・。
インドシナを祖国の様に思い育ったフランス女性の心情に、独立運動という歴史背景を(ちょこっと)絡ませた壮大なラブストーリーでした。とにかくドヌーヴ様の美しさに釘付けです。欧米人の感覚で見るアジアへの郷愁なので、多分に美化され憧憬を含んでいると思いますが、それこそが大河ドラマの醍醐味とも言えましょう♪
風景の美しさも鑑賞の価値高いおススメ作品です。